蒔絵の調度品
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蒔絵は大きくわけると、技術的に3つに分けられます。漆塗りの平面へ、平に金粉や銀粉をまいて絵を描いた「平蒔絵」。漆で絵を塗り固めた後に研ぎだした「研ぎ出し蒔絵」。漆を肉厚に盛り上げてから金粉や銀粉をまいた「高上げ蒔絵」。高台寺蒔絵は「平蒔絵」で作られており、黒漆の面に金粉を蒔いて文様を浮かび上がらせるので黒と金の対比が美しく際立っています。また、主なモチーフに秋草文様を多く使い、片身替や家紋を使った紋散らしの意匠に絵梨地や針描といった技法を用います。こういった型にはまらない自由で斬新な発想で多彩かつ華麗な表現は戦国武将たちの好みの美であり、長い戦乱を経て新しい時代への期待の中で生まれた桃山美術の粋といえるでしょう。
高台寺掌美術館
〒605-0825
京都市東山区高台寺下河原町530 京・洛市「ねね」2階